有馬前会長のご勇退に伴い、令和5年4月より鹿児島県産婦人科医会会長に就任いたしました榎園祐治でございます。
前会長の有馬先生には長年にわたり鹿児島県産婦人科医会の発展に尽力いただき、誠にありがとうございました。約20年の間役員を務められ、地域医療の充実に向け積極的に取り組み多大なる努力をされてこられました。有馬先生の引退に際し、心より感謝申し上げますとともに敬意を表します。
さて、私は寺原前々会長の時に常任理事として、そして有馬会長の下では副会長として10数年産婦人科医会の仕事に従事して参りましたが、この間に、両会長が県産婦人科医会の運営の在り方、活動の方向性を確立して下さいました。また、お二人の考えも十分理解しているつもりですので、その意向を引き継ぎつつこれまで培ってきた経験や知識を生かし、皆様のお役に立てるよう最大限の努力を尽くし、医会を運営していきたいと思います。
産婦人科医療は長年にわたり厳しい環境にありますが、新型コロナウィルスの影響で出生数の減少は加速し、分娩施設も減少するなど、さらなる危機に直面しています。
このような中で、近々経口中絶薬が発売されますが、会員の不利益にならないように適切な運用が求められます。また医師の働き方改革に伴う宿日直許可の取得の問題や分娩費用の保険適用化等と、解決すべき問題が次々と生じています。
県内に目を向けると、新型コロナウイルスの影響でJ-MELS講習会や産婦健診事業に伴う精神科・行政・産婦人科合同研修会も中断しています。また、HPVワクチンの積極的接種勧奨が再開されたにもかかわらず、その接種率は未だ約20%です。
学会や県医師会、行政とも協力し、また会員の皆様のご支援を賜りながらこれらの課題に対処していきたいと思います。
今後も、会員の皆様にとって有益な情報の提供や研修会の開催、患者さんへの啓発活動など、様々な活動を展開してまいります。鹿児島県の産婦人科医療と会員の皆様の発展のために尽力してまいりますので、引き続きご指導、ご協力を賜りますようお願い申し上げます。
鹿児島県産婦人科医会 会長 榎園 祐治