ブックタイトル鹿児島県産婦人科医会会報Vol1

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概要

鹿児島県産婦人科医会会報Vol1

- 73 -二年間のあゆみ新生児の難聴の原因1.遺伝子の異常の観点から1)非症候群性遺伝性難聴GJB2遺伝子異常・・・日本では235delcタイプが多いSLC26A4遺伝子異常・・・前庭水管拡大症を呈する2)症候群遺伝難聴①Usher症候群(網膜色素変性症)②Waardenburg症候群(全身正中部の色素異常)③Branchio‐Oto‐Renal(BOR)症候群④Alport症候群(腎機能異常)⑤Jenvelland Lange‐Nielsen症候群(心疾患:QT延長症候群)⑥Pendred症候群(甲状腺腫)⑦TreacherCollins症候群(耳介・下顎の異常)2.奇形の観点から1)外表奇形BOR症候群、Treachercollius症候群などでも発生耳弁形成不全、外耳道狭窄・欠損2)内耳奇形①内耳無形成(Michel型):胎生3週以前②蝸牛無形成:胎生5週以前③蝸牛低形成:胎生6週以前④不完全な型:胎生6週以前⑤common cavity内部構造のない単管:胎生6週⑥正常蝸牛:前庭と外側半規管の拡大⑦正常蝸牛:前庭水管拡大3.ウィルス感染の観点から1)先天性風疹症候群2)先天性サイトメガウィルス感染症4.新生児期の難聴(後天性)1)周産期ハイリスク(25週以内、1,500グラム以下)2)髄膜炎など感染症3)頭部外傷4)新生児中耳炎5)薬剤性難聴6)新生児遷延性肺高血圧症(PPHN)に発生する遅延性難聴脳の発達と可塑性1)聴力正常な小児の聴覚言語の発達は、母親の胎内で、外部から入ることばの刺激で始まる。2)1歳頃には音韻、音響分析の神経回路が形成される。(ことばの意味過程に先行)3)先天性あるいは出生後早期の高度難聴で重大な発達障害を被るのは、上側頭回中央部の音響・音韻分析の神経回路であろう(PETー脳からみた言語)4)上側頭回音を周囲の物音から音響的に区別して言語音として感知、処理する。その上で脳が言葉として認知5)脳の可塑性から聴覚言語発達の臨界期は5~6歳言語力先天聾の人工内耳手術での長期フォローアップでは、聴覚と発声・発語は良好であるが、構文力のような言語力の成長がおくれがちであることが気づかれるようになった。これは人工内耳の性能や教育方法や脳の可塑性などによるものと考えられ、現状に甘んじることは出来ない。「感覚器医学これからの10年」より