ブックタイトル鹿児島県産婦人科医会会報Vol1

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概要

鹿児島県産婦人科医会会報Vol1

- 57 -二年間のあゆみがなされる事が決定されていますので、精密検査までの連携に漏れがない様に、ご配慮ください。3.妊婦のおける鬱病 妊婦死亡の中で精神科疾患を基礎として自殺が最も多い事が全国調査で指摘され、にわかに産後うつやマタニティーブルーが注目を集める様になってきました。母子が二人っきりの状態で育児をする環境や、核家族化が進み「家族の協力」が非常に難しい状況が増えつつあります。更に望まぬ妊娠やシングルマザーなどの負荷が重なる事例も多く、無理心中、育児放棄や幼児虐待事件などと繋がっていく背景があるものと思われます。産後うつには妊娠出産期のダイナミックに変化するホルモンが関与していることが指摘されて久しいのですが、10~20%の頻度で、出産後1~2週から1ヶ月ぐらいに発生し、分娩間近の症例も含まれます。情緒的サポートや精神科薬物療法を要する症例もありますが、先ずそのような妊産婦のスクリーニングとして「エジンバラ産後鬱病質問票」や「赤ちゃんへの気持ち質問票」を使った予備軍や罹患者を早期に発見することが必要となります。 軽重の差はあるものの、一般に思われている以上にストレスに押しつぶされそうになりつつある妊産婦の早期発見とそれに続く支援・治療は、育児支援の中でも重要なテーマと考えられます。 産婦人科診療ガイドラインにも「産後うつ」に関する具体的な対策を、初めて盛り込む方針が決定しており、産婦人科学会・精神科と行政が共同して対応していかなければならない大切な事業となります。この分野においても財政的な支援が、スクリーニングの徹底と治療連結の実効性を高めるものと思われます。今後も行政との折衝が続くと考えられます。