ブックタイトル鹿児島県産婦人科医会会報Vol1

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概要

鹿児島県産婦人科医会会報Vol1

- 56 -(4)妊婦健康検査について副会長 波多江 正 紀 少子高齢化に確実に向かっている日本の現状で、妊娠出産と子育てのし易い環境への支援事業として、妊婦健康診査公費負担システムが導入されて定着しています。平成26 、27年度の実績、および28 28 年度からの支給料金は、妊娠中一人当たりの支援総額として102,050円、102,710円から105,710円と微増ながら保険点数の99.8%、98.8%から、96.2%がカバーされています。トキソプラズマ検査の保険点数自体が上がった平成27年は僅かながら支援比率が1%低下しています。 鹿児島県産婦人科医会では、定期的に鹿児島県と主だった市町村の母子保健担当者と妊婦健康診査在り方検討会を開催してきました。その協議会のテーマは表1に示された三つでした。1.NST 急変する病態が発生しない限り、NSTは異常がなければ、1週間以内の新生児死亡が回避できるとのエビデンスが示されています。外来で週一回の検査の後、次の週までは妊婦が自らできる胎児の状況が良好であることの保証は胎動チェックしかない中で、より客観的な指標をお互いに補完し合うものとしてルーチン化した検査です。妊娠37週以降の毎週実施しているNSTに対して公的支援を行政に要望しているところです。表1.妊婦健康診査在り方検討会のテーマ2.新生児聴覚スクリーニング 新生児1000人当たり一人に先天性難聴が発生するとされていますが、米国小児学会では、1.新生児聴覚スクリーニングを生後1ヶ月までのすべての新生児を対照に実施すること。2.生後3ヶ月までに必要症例に精密診断を開始すること。3.生後6ヶ月までには早期支援を開始すること 4.入院中の全ての新生児に聴覚スクリーニングを実施することとしています。日本産婦人科医会をはじめ9つの学術団体が公的支援に関する要望書を厚生労働省に平成27年5月に提出しております。これを受け、平成28 年3月には、厚生労働省雇用均等・児童家庭局母子保健課長より、都道府県並びに市町村宛に新生児聴覚検査を、地方財政そちにおいて、「少子化対策に関する地方単独措置」として大幅な拡充がなされる事を受け、積極的に取り組むよう通達が出されております。タンデムマススクリーニングでは9000人当たり1人の陽性者が検出されると報告されています。概ね80%の新生児が、自己負担で運用されている新生児聴覚スクリーニングには、公的支援がなされるべき十分な根拠があると言ってもいいと考えられます。早期に診断をして、聴力を獲得させる手だてを適切な時期を超えることなく実施するため、重要なスクリーニングと捉える必要があります。来年度から一部の地域を除いて公的補助