ブックタイトル鹿児島県産婦人科医会会報Vol1

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概要

鹿児島県産婦人科医会会報Vol1

- 2 -「長い間、大変お世話になりました」前鹿児島大学医学部産婦人科教授 堂 地   勉 私は昭和26 年1月6日に大隅半島の肝属郡串良町(現鹿屋市)で生まれました。昭和52 年九州大学医学部を卒業し、九州大学病院助手を経て、昭和59年10月1日当時の鹿児島大学産婦人科永田行博教授のお誘いもあって、鹿児島大学医学部助手(産科学婦人科学)に転任しました。昭和63年4月1日鹿児島大学医学部講師に昇任。平成4年6月1日から英国Wynn Institute for Metabolic Researchに留学(~平成5年3月31日まで)。平成8年1月1日鹿児島大学医学部助教授昇任、平成15年4月1日鹿児島大学大学院医歯学総合研究科助教授配置換、平成16 年5月1日鹿児島大学医歯学総合研究科健康科学専攻発生発達学講座生殖病態生理学分野教授に昇任。鹿児島大学大学院医歯学総合研究科教授の任を終え、平成28 年3月31日任期満了により退任致しました。無事に役目を終えることが出来ましたのも、医会の先生方のご指導、ご鞭撻があったからだと思います。あらためて御礼申し上げます。 私は、当初は生殖内分泌を中心とした研究を行っておりました。1)体重減少の性機能に及ぼす影響、2)高プロラクチン血症の診断と治療、3)多嚢胞性卵巣症候群の臨床的研究、4)体外受精・胚移植の基礎的・臨床的研究などです。体重減少性無月経の程度は重症であるが、性機能が回復するには原体重の90%以上の体重回復が必要であることを明らかに致しました。単なるダイエットによって起こる無月経を従来の神経性食欲不振症と区別して単純性体重減少性無月経として、その診断基準を確立しました。体重減少性無月経では骨塩量が低下するが、体重減少の激しい時にエストロゲンを補充しても骨塩量は増加しないことも明らかにしました。ヒト体外受精・胚移植の成績や若い子宮(マウス)に老齢受精卵を移植して行った実験で、加齢で妊孕能が低下する原因として卵巣の老化によるゴナドトロピンへの反応性の低下と卵の質の低下を示し、この研究で共同演者の森明人医師(現、枕崎市開業)が平成7年度日本不妊学会学術奨励賞を受賞しました。 1992年には恩師、永田行博教授の推薦もあり英国のWynn Institute for Metabolic Researchに留学致しました。留学以降研究の軸足を中高年女性医学に移しました。超高齢化時代の到来と時期が一致したことと閉経以降に起こる様々な機能的、器質的変化には、加齢よりもエストロゲンの低下が大きくかかわっていると考えたからです。1)妊娠分娩・産褥期の骨塩量の変化に関する研究では、妊娠中には骨塩量は変化しないが、産褥期にしかも授乳女性で骨塩量は低下することを初めて明らかにしました。この研究で共同研究者の松元勇医師が平成8年度日本産科婦人科学術奨励賞を受賞しました。骨塩量測定機器DXA(デキサ)により体脂肪分布が正確に測定出来ることに着目して、2)様々な病態生理の体脂肪分布異常の研究を行いました。閉経女性では過剰な体脂肪蓄積量(肥満度)よりも内臓脂肪蓄積(体脂肪分布の異常)の方が高アンドロゲン環境、高エストロゲン環境、脂質異常症、動脈硬化症、耐糖能異常などと関連するが、レプチンだけは体脂肪組織から万遍なく分泌されていることを明らかにした。女性は閉経により肥満に傾くが、肥満よりも体脂肪分布が上半身型(内臓脂肪蓄積型)へシフトすることがさらに顕著であることを横断的研究でご 挨 拶