ブックタイトル鹿児島県産婦人科医会会報Vol1

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鹿児島県産婦人科医会会報Vol1

- 104 -コラム・エッセイ若手医師が勤務環境に望むこと~鹿児島県~鹿屋医療センター 折 田 有 史 日本産婦人科医会による学会員の勤務実態調査で、鹿児島県は産婦人科に占める若手医師の割合が少なく、10年後には10%以上産婦人科医の減少が見込まれるとされた。すでにその予想は現実となり、鹿児島大学からの医師派遣と施設の集約化などで地域医療を維持している現状である。女性医師の割合も増加し、女性医師がキャリアアップを継続して行うために、各施設での環境整備が行われているものの、雇用形態、病児保育や時間外保育の整備などはまだ充分とは言えない。 今回、鹿児島県内に勤務する若手医師(10年目以下)29名(女性17名、男性12名、3~5年目12名、6~10年目17名)を対象に勤務環境に関するアンケート調査を行った。アンケート回収率は76%(22 /29、女性12名、男性10名、3~5年目10名、6~10年目12名)であった。1.若手医師の現状 アンケート対象の若手医師は鹿児島大学の産婦人科教室と鹿児島市立病院の産婦人科医局にすべて所属していた。大学所属の医師(13名)は主に大学病院や県内の各総合病院に勤務しており、市立病院所属の医師(16名)は主に同院内の産婦人科、NICUに勤務している(スライド1)。全体の91%の医師が産婦人科医不足を感じていた。一方で、勤務形態に満足していると答えた医師は82 %、給与について満足していると答えた医師は73%と高かった。当直明けの勤務緩和(18%)や分娩手当支給率(27%)の低さは、他県に比し恵まれた環境とは言えないが、やりがい、職場の雰囲気、指導体制(満足度77%)がそれを補っていると思われた。裏返せば、このような勤務環境で産婦人科医を継続できる医師のみが産婦人科医を志したと言えるのかもしれない。若手医師の約6割を占める女性医師の出産・育児環境に対する満足度は77%であった(子育てに携わる女性医師のみを対象としたアンケートではないため、実態を反映していない可能性は考慮すべき)。これらの結果から、現在鹿児島県の産婦人科に勤務している若手医師の満足度は予想以上に高いものであった。しかし、自己研鑽の時間(満足度41%)や休暇(満足度49%)に対しては不足を感じており、burn outを防ぐためにも、産婦人科医不足の解消は必須である。そのためには、早急に労働環境を改善し、産婦人科医への門戸を広げる必要がある。2.勤務環境の問題点と今後に望むこと 若手医師が最もストレスを感じているものは勤務形態で、次にレセプト・診断書などの書類作成であった(スライド2)。優先して改善すべき事項(スライド3)にもやはり勤務環境・人材不足の解消があがり、これらが喫緊の課題である。女性医師が安心して働くために、雇用形態の整備や病児保育や時間外保育の整備なども各施設で今後、整備すべき必須の課題である。ドクタークラークの充実などは各施設が取り組みやすい改善策と思われる。3.後期研修医確保のための取り組み 後期研修医確保のためには、学生・初期研修医に産婦人科の学問と診療の魅力をいかに伝えるかが重要である。しかし、初期研修の時期に産婦人科研修が必須でなくなり、全国的に初期研修医が産婦人科を選択することは減少している。よって、ベッドサイド教育の学生時代から積極的に働きかけ、産婦人科に興味を持ってもらうように努める必要がある。今後始まる新専